soroinoでは、同じ服をたくさん作ることは、ほとんどありません。
一着ずつ布を選び、その布に合わせてデザインや柄の配置を考えながら、少しずつ仕立てています。
特にインドの伝統産業「ブロックプリント」を使う服は”ほぼ一点もの”。
その理由はいくつかあります。
ブロックプリントは、たくさん仕入れられる布ではありません
soroinoでよく使っているのが、インドの伝統的な木版プリント「ブロックプリント」。
広げた布に、染料をつけた木版をひとつひとつ押して、色を重ねていきます。
機械で一気にプリントするのではなく、人の手で木版を押していくからこそ生まれる、わずかなズレや色の重なり。
そんなところに、私は魅力を感じています。
そしてこの製法では、一度に作れる布の量にも限りがあります。
布を広げてプリントできる工房の大きさが、一枚の布を作れる長さにも関係するため、仕入れられる量は多くても8〜10mほど。
同じデザインのワンピースを作ろうと思っても、作れるのは1着、多くても2着くらいになります。
これが、soroinoの服が一点ものに近い形になっている理由のひとつです。
でも、布の量だけが理由ではありません
実は、私が一点ものを作りたいと思う理由は、もうひとつあります。
私は、布を見てから「何を作るか」を考えます。
この柄ならワンピースが似合いそう。
この雰囲気ならブラウスにしたい。
柄と柄を組み合わせたら、もっとこの布の魅力が引き立つかもしれない。
そんなふうに、布を眺めながら、その布が持っている雰囲気の少し先にある服を想像します。
先にデザインがあって、それに合う布を探すというより、
出会った布から、その布に似合う一着を考える。
それが、私のものづくりのスタイルです。
柄の配置も、一着ずつ考えながら
ブロックプリントのように柄が印象的な布は、どこにどの柄を持ってくるかによって、服の表情が大きく変わります。
同じ型紙でも、柄の位置が変われば印象は違うものになります。
だから、布を裁断するときも、ただ必要なパーツを切り出すだけではありません。
「この柄を前身頃のどこに置こうか」
「ここにはこの部分を持ってきたい」
「この柄とこの柄を合わせたらどう見えるだろう」
そんなことを考えながら、一着ずつ裁断していきます。
特に複数の柄を組み合わせるときには、布の組み合わせや柄のつながりを考える時間も増えていきます。
それもまた、一点ものを作る楽しさのひとつです。

一着一着と向き合う時間を大切にしたい
同じ服を何着も繰り返し作ることが悪いわけではありません。
効率を考えれば、同じデザインを繰り返し作るほうが、もちろん作りやすい。
それでも私は、一着一着と向き合って作りたいと思っています。
その一着のために柄の配置を考えて、
裁断して、
組み合わせて、
少しずつ形にしていく。
その時間そのものを大切にしたい。
だから、soroinoの服は「ほぼ一点もの」。
大量には作れませんが、その時々の布との出会いを楽しみながら、一着ずつ仕立てています。
その布だからこそ生まれる一着を
今回使ったブロックプリントも、
「この布だからこそ似合う服を作りたい」
と思わせてくれる布でした。
どんな形にしようか。
どの柄をどこに置こうか。
ほかの布と組み合わせるなら、どれが似合うだろう。
そんなことを考えながら、少しずつ一着の形にしていきました。
次回は、この布から仕立てたワンピースをご紹介します。
布との出会いから生まれた、soroinoの一着。
ぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。
